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東大合格請負人時田啓光による、志望校に合格するための勉強法
2020-01-25

2020昭和大医学部(I期) 数学解説大問2

こんにちは

東大合格請負人の時田啓光です。

 

本日は、2020年の昭和大医学部(I期)の数学 大問2を解説します。

医学部受験生は、参考にして下さい。

 

受験生にとって、できるだけ無理がなく

試験会場で思いつける解法を目指しています。

よりエレガントで、効率的な解き方も考えてみてくださいね。

 

 

 

 

[2]

(1) 問題不備

(2) a_1= 1/3 、(2n+1) a_n=(2n-3) a_(n-1)   (n≧2) によって定められる数列{a_n }の一般項を

求めよ。また、lim┬(n→∞)⁡〖a_n 〗 を求めよ。

(3) 次の条件によって定められる数列{a_n }の一般項を求めよ。また、lim┬(n→∞)⁡〖a_n 〗を求めよ。

a_1=1, a_2=1/2, a_(n+2)=1/2 a_(n+1)+1/8 a_n

(2020昭和医大)

解答に至るまでの考え方

(2)

{(a_1=1/3   …①                (2n+1) a_n=(2n-3) a_(n-1)…②  (n≧2)

②の式を見ても、求める数列のルール、つまり前後関係が分かりにくい。

仮に、 (2n+1) a_nをn項目の値としてみると、

(n-1)項目は(2(n-1)+1) a_(n-1)=(2n-1) a_(n-1)となるので、これは右辺と一致しない。

ということで次のように分数の形にする。

a_n=(2n-3)/(2n+1) a_(n-1)…②^′

この前後関係から、さらに1つ項数をズラし、約分してnの式を消去できないか試みる。

a_(n-1)=(2(n-1)-3)/(2(n-1)+1) a_(n-2)=(2n-5)/(2n-1) a_(n-2)

これを②^′に代入して、

a_n=(2n-3)/(2n+1)×(2n-5)/(2n-1) a_(n-2)

さらに同様な操作を続けると、

a_n=(2n-3)/(2n+1)×(2n-5)/(2n-1)×(2n-7)/(2n-3)×(2n-9)/(2n-5) a_(n-4)

狙い通り、約分できるnの式が現れた。そしてa_1になるまで続けると、

a_n=(2n-3)/(2n+1)×(2n-5)/(2n-1)×(2n-7)/(2n-3)×(2n-9)/(2n-5)×…×(2∙4-3)/(2∙4+1)×(2∙3-3)/(2∙3+1)×(2∙2-3)/(2∙2+1) a_1

=(2n-3)/(2n+1)×(2n-5)/(2n-1)×(2n-7)/(2n-3)×(2n-9)/(2n-5)×…×5/9×3/7×1/5×1/3 (∵①より)

=1/(2n+1)(2n-1)

 

これは、 n=1のとき(右辺)= 1/3 となり①を満たす。

さらに、 lim┬(n→∞)⁡〖a_n 〗=0

{(a_n=1/(2n+1)(2n-1)  (n≧1)  @lim┬(n→∞)⁡〖a_n 〗=0

(3)

{(a_1=1, a_2=1/2 …① a_(n+2)=1/2 a_(n+1)+1/8 a_n…②)

 

これは、3項間の漸化式といいます。

[3項間の漸化式の一般的な解法]

a_(n+2)+pa_(n+1)+qa_n=0…☆  という漸化式が与えられていたら、

この式の係数に対応する2次方程式 x^2+px+q=0  を解きます。

この2次方程式の解がα,β とすると、☆の式を次のような連立方程式が成り立ちます。

{(a_(n+2)-β∙a_(n+1)=α(a_(n+1)-β∙a_n ) @a_(n+2)-α∙a_(n+1)=β(a_(n+1)-α∙a_n ) )┤

あとは、これらの式をそれぞれ解けば、求めたい数列の一般項を出せます。

では、本問に戻りましょう。

②を変形すると、

8a_(n+2)-4a_(n+1)-a_n=0

とできるので、

8x^2-4x-1=0

この2次方程式の解を求めます。

残念ながら因数分解できない式なので、解の公式を地道に使いましょう。

x=(2±√(4+8))/8=(1±√3)/4

となります。

よって、次のような連立方程式が成り立ちます。

{(a_(n+2)-(1-√3)/4 a_(n+1)=(1+√3)/4 (a_(n+1)-(1-√3)/4 a_n ) …③@a_(n+2)-(1+√3)/4 a_(n+1)=(1-√3)/4 (a_(n+1)-(1+√3)/4 a_n ) …④)┤

③より、

数列{a_(n+1)-(1-√3)/4 a_n }”は、初項 ” a_2-(1-√3)/4 a_1=1/2-(1-√3)/4  (∵①より)=(1+√3)/4 ” で、”

公比 (1+√3)/4 の等比数列なので、次の式が成り立つ。

a_(n+1)-(1-√3)/4 a_n=((1+√3)/4) ((1+√3)/4)^(n-1)=((1+√3)/4)^n…③^′

④より、

数列{a_(n+1)-(1+√3)/4 a_n }”は、初項 ” a_2-(1+√3)/4 a_1=1/2-(1+√3)/4  (∵①より)=(1-√3)/4 ” で、”

公比 (1-√3)/4 の等比数列なので、次の式が成り立つ。

a_(n+1)-(1+√3)/4 a_n=((1-√3)/4) ((1-√3)/4)^(n-1)=((1-√3)/4)^n…④^′

③^′-④^′ より、

√3/2 a_n=((1+√3)/4)^n-((1-√3)/4)^n

∴a_n=(2√3)/3 {((1+√3)/4)^n-((1-√3)/4)^n }   (n≧1)

lim┬(n→∞)⁡〖a_n 〗=0-0=0

{((2√3)/3 {((1+√3)/4)^n-((1-√3)/4)^n }   (n≧1)@lim┬(n→∞)⁡〖a_n 〗=0              …(答)

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