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東大合格請負人時田啓光による、志望校に合格するための勉強法
2020-01-27

2020年埼玉医科大 数学大問1(3)解説 前期 (医学部受験 東大合格請負人 時田啓光 合格舎)

こんにちは、東大合格請負人の時田啓光です。

今回は、2020年の埼玉医科大(前期)の数学大問1(3)の解説です。

本問は、

他の大学や共通テストでも出題される可能性が大いにある

台形に関するテーマ問題です。ぜひ来年度の受験生におさえて欲しい。

そのポイントを一緒に学びましょう。

例によって、受験生に無理がないような解答を心がけています。

[1](3) 4辺のうち、3辺の長さがaである台形の面積Sの最大値を求めよ。  (2020埼玉医科大)

解答に至るまでの考え方

3辺の長さが等しい台形、と言われてすぐに思いついて欲しいのが「等脚台形」です。

台形の中で特に重要な性質をもっています。等脚台形って何?という人は次をチェック!

等脚台形とは、

「台形(1組の向かい合う辺が平行な四角形)の中で、底辺の両端の内角が等しい図形」

※「等脚」と名称についていますが、辺の長さが等しいことが定義ではないことに注意!

AB//CDであり、∠ABC=∠CDB である等脚台形ABCDについての性質・定理は以下です。

(性質・定理)

① AB=DC (定義じゃないよ!あくまでも性質)

② AC=BD (2つの対角線の長さが等しい)

③ 等脚台形ABCDは、円に内接する(受験で最も重要)

④ ∠ABC+∠CDA=π, ∠BAD+∠BCD=π (対角の和がπ)

⑤ 4本の辺のそれぞれの垂直二等分線は1点で交わる

(等脚台形の逆の性質) 台形で向かい合う辺の長さが等しいならば、それは等脚台形である。・・・☆

さて、本問に戻りましょう

4辺のうち、3辺の長さが等しいので☆より、これは等脚台形だと分かる。

この図形をABCDとして、AB=AD=DCとなる等脚台形とする。

すると、(図1)または(図2)のような図形になるが、

ADが一定(=a)のとき、 BCが長い方が面積は大きくなるので、

(図1)を元に以下考える。

色々とテクニカルな解答方法はありますが、

今回は一番身近な台形の面積公式である

(上底+下底)×高さ÷2

これを用いる解き方を考えていきます。

長さが分かっていない唯一の辺はBCなので、 BCを考えていく。

まず点Aを通り辺DCに平行な直線と辺BCとの交点をPとし、

BP=t(>0)とおくと(図3)が描ける。

さらに、点A から辺BPに下ろした垂線の足をHとすると(図4)が描ける。

これにより、 AH=√(AB^2-BH^2 )=√(a^2-(t/2)^2 ) となる。

すると、S=1/2 (AD+BC)×AH

=1/2 (a+(a+t)) √(a^2-(t/2)^2 )

ここで、S(t)=1/2 (2a+t) (a^2-t^2/4)^(1/2) とおく。

これが最大となるtを求めるので、微分して極値を求めて増減表をかきましょう。

S^′ (t)=1/2 {(a^2-t^2/4)^(1/2)+(2a+t)∙1/2 (-t/2) (a^2-t^2/4)^(-1/2) }

=(4(a^2-t^2/4)-(2a+t)t)/(2〖∙4(a^2-t^2/4)〗^(1/2) )

=(-(t^2+at-2a^2 ))/〖2(a^2-t^2/4)〗^(1/2)

=(-(t+2a)(t-a))/〖2(a^2-t^2/4)〗^(1/2)

ここで、 S^′ (t)=0となるのは、t=-2a, aである。

S(a)=1/2∙3a∙(3/4 a^2 )^(1/2)=(3√3)/4 a^2

以上より、次の増減表がかける。

よって、求める面積の最大値は、 (3√3)/4 a^2 ・・・(答)

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